市比賣神社(いちひめじんじゃ)は、全国でも珍しい女人守護の最強パワースポットととして、女性の参拝者が急増しています。
もともとは市場の神社だったので、商売繁昌や金運アップのご利益も高い、京都でも屈指のパワースポットです。
女性が非常に多いのですが、男性の方にももちろんご利益があるので、遠慮せずにお詣りくださいね。
市比賣神社のご利益
- 商売繁昌
- 金運アップ
- 良縁
- 子授け
- 安産
- 諸願成就
- 女人守護
- 女性の願い事
- 女性特有の悩み
市比賣神社のご利益は、女性のご利益ばかりのように紹介されている記事をよく見かけますが、そんなことはありません。
元々、平安京の官営市場の守護だったので、商売繁昌、金運アップの神社でした。
でも、本殿のご祭神である五柱の神さま全てが、女性の神さまであることから、歴代の皇后陛下の崇敬を集められました。
そんなことから、女人守護のご利益が、有名になっていきました。
それだけ、霊験あらたかな神社だという証でもあるのですが・・。
市比賣神社のご利益は、良縁祈願や子授けや安産、女性の悩みなど、やはり女性に人気のあるご利益が多いですね。
なんとなく、市比賣神社にお詣りした男性は、居心地が悪いような、気恥ずかしいような感覚にとらわれてしまいます。
私も、独りでお詣りしたのですが、なんとなく気恥ずかしくて、授与所の中に入ることをためらいました。
それだけ、女性だけでお詣りされている方が多かった。
でも、境内は、清浄な気に満ちていて、強いパワースポットだと感じました。
決して、女性限定ではないので、男性の方も安心してお詣りしてくださいね。
市比賣神社とは
市比賣神社は、795年に桓武天皇の勅命で、藤原冬嗣に筑前の国より東市と西市双方の守護神として勧請されたのが始まりです。
平安京への遷都が、794年(『鳴くよウグイス平安京』と覚えましたね)ですから、市比賣神社は、京都に平安京が造営された直後に創建されたのですね。
ちなみに、私が使っていた年号暗記の本は、『泣くよ坊さん、平安遷都』でした。
市比賣神社は、もともと堀川七条の官営市場の中央に創建されました。、
今、京都で堀川七条というと、西本願寺や興正寺のすぐ近くになります。
というよりも、今の西本願寺のある場所付近に、市比賣神社が創建されたそうす。
ここからは、東本願寺にも、徒歩5分くらいで行ける場所です。
そうそう、高校野球で有名な龍谷大平安高校もすぐ近くにあります。
龍谷大平安高校は、西本願寺系の学校なので、西本願寺の近くにあるのは頷けます。
ちなみに、場所は離れていますが、京都女子大学も西本願寺系の学校です。
京都には、仏教系の学校がたくさんあります。
話がそれてしまいました。
そんな堀川七条から、現在の河原町五条に移転されたのは、豊臣秀吉の時代です。
今でも、京都の中央市場には、市比賣神社の分社として『市姫神社』があり、市場関係の人から崇敬されています。
また、もともと皇室守護の神社でもあったので、御所に向けて本殿が、北向きに建てられています。
今は、マンションの1階に授与所があって、市比賣神社とマンションが一体化しています。
でも、境内の中に入ると、間違いなくパワースポットであることが分かります。
市比賣神社のご祭神
市比賣神社の本殿にお祀りされているご祭神は、五柱の女神です。
- 多紀理比賣命(タギリヒメノミコト)
- 市寸嶋比賣命(イチキシマヒメノミコト)
- 多岐都比賣命(タギツヒメノミコト)
- 神大市比賣命(カミオオイチヒメノミコト)
- 下光比賣命(シタテルヒメノミコト)
女性の神さまばかりなので、女人守護のご利益が高いとされ、歴代の皇后陛下からも崇敬されています。
タギリヒメ命、イチキシマヒメ命、タギツヒメ命は、宗像三女神と呼ばれる美しい三姉妹の神さまです。
宗像三女神は、福岡県宗像市にある宗像大社、広島県の宮島にある厳島神社のご祭神としても知られている、とてもご神力の強い神さまです。
多紀理比賣命(タギリヒメ命)
多紀理比賣命(タギリヒメ命)は、古事記では宗像三女神の中で最初に生まれた神さまです。
福岡県の宗像大社では、沖津宮(沖ノ島)にお祀りされています。
日本書紀や他の古文書では、生まれた順がバラバラです。
ここでは、古事記に従って書いていきますね。
宗像大社の沖津宮にお祀りされているので、奥津島比売命(オキツシマヒメ命)とも言われます。
大国主命(オオクニヌシ命)と結婚して、アヂスキタカヒコネ命とシタテルヒメ命を産まれました。
シタテルヒメ命は、市比賣神社の主祭神の一柱です。
多紀理比賣命のご利益
- 交通安全
- 商売繁昌
- 国家守護
- 航海安全
- 豊漁
- 金運アップ
市寸嶋比賣命(イチキシマヒメ命)
市寸嶋比賣命(イチキシマヒメ命)は、古事記では、宗像三女神の二番目に生まれた神さまです。
宗像大社では、九州本土の辺津宮(へつみや)
イチキシマヒメ命は、美女三姉妹の中でも、特に美しい神さまとして有名です。
弁財天と同一神として、お祀りされています。
お寺は別として、神社で弁財天をお祀りしているとことは、ほとんどがイチキシマヒメ命としてお祀りされています。
その為、宗像三女神としてだけでなく、江島神社や竹生島神社など、弁財天で有名な神社をはじめ、多くの神社でお祀りされています。
弁財天は、財宝を司る美と戦いと恋愛成就の神さまです。
恋愛運アップ、金運アップ、商売繁盛のご利益の期待が高まりますね。
お酒の神様として有名な、京都の松尾大社もイチキシマヒメ命が、主祭神二柱の一柱としてお祀りされています。
イチキシマヒメ命とは、天火明命(アメノホアカリノミコト)と結婚したという説、大国主命と結婚したという説があります。
宗像三女神の中でも、とりわけ人気が高く神力が強い神さまとも言われています。
市寸嶋比賣命のご利益
- 金運アップ
- 海上安全
- 交通安全
- 豊漁
- 商売繁盛
- 知恵
- 財福
- 戦勝
- 子孫繁栄
- 音楽
- 技芸
- 弁舌
- 恋愛成就
イチキシマヒメ命のご利益は、弁財天のご利益とも重なります。
イチキシマヒメ命は、金運アップ、恋愛成就、才能、勝負事、美しさなど、人間が願うもの全てを兼ね備えておられる神さまですね。
多岐都比賣命(タギツヒメ命)
多岐都比賣命(タギツヒメ命)は、古事記では、宗像三女神の三番目に生まれた女神さまです。
宗像大社の沖津宮(大島)にお祀りされています。
先代旧事本紀によると、タギツヒメ命は、大国主命と結婚をして、事代主命(コトシロヌシ命)と高照姫命 (タカテルヒメ命)を産まれました。
コトシロヌシ命は、商売繁盛のエビス神と、同一神とされています。
エビス神の母神なら、更なる商売繁昌や金運アップのご利益が期待できそうですね。
多岐都比賣命のご利益
- 航海安全
- 交通安全
- 商売繁昌
- 豊漁
神大市比賣命(カミオオイチヒメ命)
神大市比賣命(カミオオイチヒメ命)は、別名を大歳御祖神(オオトシミオヤノカミみ)と言います。
古事記では、スサノオ命と結婚して、大歳神(=大年神 オオトシカミ)と宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)を産まれました。
ウカノミタマ神は、伏見稲荷大社など、全国の稲荷神社にお祀りされる商売繁盛の神さまであるお稲荷さんです。
これは、ますます金運アップ、商売繁昌のご利益が期待できると思いませんか?
オオトシ神は、お正月に来られる福の神です。
もともと、門松は、オオトシ神を迎えるためのもので、鏡餅は、オオトシ神へのお供えでした。
節分の恵方巻で有名になった恵方とは、その年にオオトシ神が居られる方位のことです。
神大市比賣命のご利益
- 市場の守護
- 五穀豊穣
- 商売繁昌
- 女人守護
下光比賣命(シタテルヒメ命)
下光比賣命(シタテルヒメ命)は、先ほど紹介したタギリヒメ命と大国主命の御子神です。
大国主命が統治する豊葦原中国(トヨアシハラナカツクニ)を譲ってもらうために、天照大御神が派遣した天稚彦(アメノワカヒコ)と結婚しました。
シタテルヒメ命は、人々に薬の知識や安産の知恵を授け、農業の指導をされました。
下光比賣命のご利益
- 医薬守護
- 諸病平癒
- 安産
- 農業守護
市比賣神社の境内
市比賣神社の境内は、さして広くありません。
見るだけなら、2、3分もあれば全て見られるほど、小さな神社です。
それほど小さな神社ですが、次々と参拝者が来られます。
私がお詣りした時は、あいにくの雨で寒い日だったのですが、途切れることなく女性の方が来られていました。
小さな境内ですが、びっしりと願かけの絵馬が奉納されていました。
手水舎
市比賣神社の手水舎は、龍の口から水が出ています。
その水が溜められている水盤には、賢木が入っていました。
そして、水盤には瀞(とろ・きよい)という字が彫られています。
瀞という字は、『水深が深くてゆっくりとした流れのところ』という意味です。
でも、市比賣神社では、瀞をすがすがしいとしています。
『清』と『浄』の文字が合わさったもので、『心をすがすがしくしなさい』という意味だそうです。
植松稲荷社
手水舎の奥には、植松稲荷社があります。
ご祭神は、
- 植松稲荷大神
- 松玉稲荷大神
- 光玉稲荷大神
の三柱の神さまがお祀りされています。
お稲荷さまなので、ここでも商売繁昌や金運アップのご利益が授かれます。
天之真名井(あめのまない)
御神井の天之真名井は、清らかな水が絶えず水盤に注がれています。
この前は、強いパワースポットです。
天之真名井は、歴代天皇の産湯に用いられたという伝承が残る名水で、茶会、花展・書展等に用いられています。
都七名水の一つに数えられています。
市比賣神社では、絵馬に一つだけ願いを書いて奉納し、天之真名井のお水をいただくと、その願いが叶うと言われています。
その為、小さな境内の中に、たくさんの絵馬がかけられています。
別名『一願成就の井戸』とも言われています。
天之真名井という言葉は、天照大御神とスサノオ命が、誓約(うけい)をした場面に出てきます。
この誓約の場面は、市比賣神社のご祭神であるタギリヒメ命・イチキシマヒメ命・タギツヒメ命が、お生まれになった場面です。
天照大御神とスサノオ命の誓約
根の国に行くことになったスサノオ命は、姉神である天照大御神に挨拶のため、高天原に行きました。
スサノオ命が、ドスンドスンと歩いたので、山も川も振動してしまいました。
天照大御神は、スサノオ命が、高天原を奪いに来たのかと思い、戦闘準備を整えて待ち構えました。
すると、スサノオ命は、あいさつに来ただけで、邪心はないと言いました。
スサノオ命の身の潔白を証明するために、誓約(うけい)を行いました。
天照大御神が、スサノオ命の十拳剣(とつかのつるぎ)を受け取り、三つに折って天之真名井の聖水ですすぎました。
そして、ガリガリとかみ砕き、プーッと吹き出した息の霧の中から生まれたのが、タギリヒメ命・イチキシマヒメ命・タギツヒメ命の宗像三女神です。
宗像三女神は、スサノオ命の剣から生まれたので、スサノオ命の御子神とされました。
そして、スサノオ命に邪心が無いから、たおやかな女の子が生まれたと言って、身の潔白を証明したのです。
市比賣神社の天之真名井は、誓約の天之真名井ではないですが、ご祭神も宗像三女神であることから、命名されたのかもしれませんね。
茶の湯都七名水
- 天之真名井(あまのまない)
- 芹根井(せりねい)
- 音羽の滝(おとわのたき)
- 醒ヶ井(さめがい)
- 六孫王社誕生水(たんじょうすい)
- 中川井(なかがわい)
- 滋野井(しげのい)
京都は、名水の宝庫でした。
これ以外にも、京都には名水ナントカといって、たくさんの名水があります。
衆霊殿(しゅうれいでん)
天之真名井(あめのまない)の奥には、衆霊殿があります。
衆霊殿には
- 大国主命
- 花山天皇
- 恵毘須神
- 大黒天
- 護国英霊
- 社家祖霊
- 崇敬者祖霊
がお祀りされています。
宗像三女神の旦那さんであり、シタテルヒメ命の父神である大国主命は、縁結びの神さまとして有名です。
大国主命の縁結びは、恋愛の縁だけでなく、お金との縁、仕事との縁、勉強との縁、食べ物との縁、会社や学校との縁など、全てにおいて良縁を結んでくださいます。
また、商売繁昌や福徳の神さまである恵毘須神や大黒天も合祀されているので、こちらでも金運アップのご利益が授かれますね。
例えばこんなお願いもどうでしょうか
市比賣神社は、女人守護という女性にはありがたいご利益があります。
金運アップに関するご利益や、良縁祈願や縁結びなど恋愛に関するご利益も、あなた自身のお願いとしてお祈りすることができます。
でも、市比賣神社は、女性限定ではないので、あなたにとって大切な人のことをお願いしてもかまいません。
例えば、仕事運のご利益もあるので、ご主人や彼氏の仕事運と金運アップをお願いすることもできます。
子授けのご利益も高いので、子宝に恵まれるようにお願いもできます。
あなた自身や身内の方の安産祈願もできます。
子孫繁栄のご利益も高いので、子供さんの将来をお願いすることもできます。
シタテルヒメ命は、薬の知識を広められた神さまなので、家族の病気平癒をお願いすることもできます。
また、農業守護の神さまでもあるので、農家の方が豊作を願われても良いでしょう。
さらに、宗像三女神は、海の神さまでもあるので、漁業の方は豊漁を願うこともできます。
市比賣神社の神さまは、
- あなた自身のお願い
- 家族のためのお願い
- 将来家族になる方のお願い
- これから生まれてくる小さな家族のためのお願い
- 家庭全体の金運・財運アップ
- 健康に関するお願い
などなど、あなたにとって必要なお願いは、ほぼ全て得意分野のご利益です。
ぜひ市比賣神社にお詣りして、ご利益を授かってくださいね。
お食い初め(お食べ初め)
お食い初めは、市比賣神社の五十日百日之祝(いかももかのいわい)が起源だと言われています。
五十日百日之祝とは、生後50日目か100日目に、市比賣神社から授かったお餅を赤ちゃんの口に含ませて、健やかな成長を祈る儀式です。
五十日百日之祝は、源氏物語にも書かれており、平安時代にはポピュラーな儀式だったのでしょうね。
お食い初めは、
- お食べ初め
- 真魚(まな)始め
- 箸初め
など、いろいろな呼び方があります。
市比賣神社では、五十日餅(いかのもち)、市之餅(いちのもち)を予約することができます。
初穂料は、3,000円です。
お餅の他に、お箸と歯がため石も授かれます。
市比賣神社は、子授けから、安産、お食い初めと、子どもの成長も見守っていただける神社です。
授与品
市比賣神社には、女性に人気の授与品があります。
私は、授与所の中に入っていくのが、なんとなく気恥ずかしかったので、写真が取れませんでした。
文章だけの紹介になってしまい、申し訳ございません。
女人お守
女人お守り:800円
市比賣神社が、女人守護の神社だということで、女性の幸せを願ってお祈りされたお守りです。
ピンク地に金色の文字で、『女人お守』と書かれています。
姫みくじ
姫みくじ:800円
姫みくじは、カワイイだるまさんの中に、おみくじが入っています。
おみくじは持って帰っても良いのですが、だるまさんに願い事を書いて、天之真名井の上に置いて帰られる方が多いです。
天之真名井の上には、たくさんの姫みくじのだるまさんが並んでいます。
姫みくじのだるまさんは、なんとなく豊後竹田(大分県竹田市)の姫だるまを思い出しました。
身代わり守り
身代わり守り:800円
身代わり守りは、七色の糸で編まれた七色人形です。
古来から、七色(七草の原色)は、厄を祓い、幸運をもたらすと言われています。
とってもかわいいお守りが、あなたの厄を除いてくれます。
ハッピーカード
ハッピーカード:800円
ハッピーカードは800円ですが、お願い事1つにつき1,000円のお納めになります。
ハッピーカードお守り申込書に必要事項を記入して、授与所に渡します。
あなただけの、ハッピーカードが授与されます。
市比賣神社を、全国的に有名にしたのが、ハッピーカードです。
女優の羽田美智子さんが、テレビ番組で市比賣神社とハッピーカードを紹介されたのです。
羽田美智子さんは、ハッピーカードを授かって、『一年間、することなすこと全てうまくゆく。』と、その効果を番組の中で言われました。
それまでは、京都の人でもさほど有名ではない神社だったのですが、一躍全国区になりました。
市比賣神社へのアクセス
京阪電車:清水五条駅下車 徒歩5分
市バス:京都駅から4系統、205系統、17系統
河原町正面下車 徒歩2分
地下鉄:京都駅から国際会館行
五条駅下車 徒歩8分
京都バス:河原町五条下車 徒歩2分
拝観時間:7:00~18:00
受付終了:9:00~16:30
所要時間:約10分
市比賣神社
〒600-8119 京都市下京区河原町五条下ル一筋目西入ル
Tel: 075-361-2775
Fax: 075-361-2776