神様にお詣りするときに、私たちが知らず知らずに犯してしまう過ちがあります。
神様に対してのタブーは、様々なものがあります。
ここでは、現代人が犯してしまいがちなタブーに焦点を当てて紹介します。
参道の真ん中を歩かない
神社の境内の参道は、真ん中を正中(せいちゅう)と言い、神様が通られる道なので、人間は通らないようにと言われています。
この、正中を歩かないということに対しては、いろいろな説があります。
元々参道は、正中からずれているので、歩いても構わないという考えもあります。
参道が途中で折れ曲がっていることもあるのだから、正中は関係ないという説もあります。
この辺りは、特に決められているわけでもないので、神経質にならなくてもよいかもしれません。
でも、だからと言って、ずかずかと参道のど真ん中をふてぶてしい態度で歩くのは避けたいですね。
神様にお詣りするのですから、謙虚な気持ちで参道の端の方を歩くのが良いと思います。
参道に入る前の注意としては、鳥居の前で一礼(二礼という説もあります)して、鳥居をくぐりましょう。
また、参道を横断するとき(正中を横切るとき)は、拝殿に向かって頭を下げてから通りましょう。
大きな神社、例えば伏見稲荷神社などは、境内に拝殿がいくつもあり、石畳の参道が何本もあります。
参道が交差するところでは、神職は必ず拝殿に向かって礼をしてから横切られています。
人間に置き換えると、よくわかりますよね。
人の前を横切るときは、『前ごめんなさい。』と、軽く会釈して通ります。
神様も同じです。
正中がどうのとかいうよりも、控えめな気持ちでお詣りしてほしいと思い、タブーに入れました。
生理中や産後75日間はお詣りしない
神様は、穢れを嫌われます。
女性の出産の出血や月経の出血も、赤不浄(あかふじょう)として穢れとされてきました。
赤不浄は、本人だけでなく、家族にもその穢れが及ぶとされ、大工さんや鍛冶屋さん、漁師の方は、その期間は仕事をしなかったと言われています。
『生理中の赤不浄は分かったけど、どうして産後75日なの?』と言われそうですね。
それは、産後の悪露が数週間から2ヵ月位かかって降りるからです。
昔のお宮参りの絵は、赤ちゃんを抱っこしているのは、お母さんではなくおばあちゃんでした。
お宮参りは、産後30日後位に行うのが一般的です。
お宮参りの時は、お母さんはまだ赤不浄なのです。
現在は、そこまで厳しく言われていません。
でも、赤ちゃんの将来を神様にお願いするなら、お宮参りは、おばあちゃんにお願いしてもよいかもしれませんね。
SEXした後はお詣りしない
SEXして神様にお詣りしない。
これは、私個人の感覚と言うか経験です。
無理に信じなくても構いません。
でも、神様にお詣りするときには、身を浄めるというのはご理解いただけますよね。
実は、若かりし頃、そんなことは考えもしないで、お詣りする前の晩SEXしてしまったんです。
それで、いつもお詣りしている崇敬神社に行った帰りのことです。
後ろから追突されて、車の後ろはペシャンコになりました。
幸い、全くむち打ちにはなりませんでした。
でもその当時、これが、お詣り前のSEXのせいだとは思いもよりませんでした。
それから、数年後、またもや同じように前の晩にした後、いつもの崇敬神社にお詣りしました。
またもや、ものの見事に、オカマを掘られました。
前回よりもきついオカマです。
でも、やはり、むち打ちにはなりませんでした。
どうしてなのか、しばらく考えて、ようやく分かったのです。
身を浄めてお詣りすべきなのに、不浄なことをして神様にお詣りしたからです。
これが、私の見つけた答えでした。
それで、むち打ちにもならなかったのだと、ようやく気付いたのです。
偶然だと思われるかもしれません。
その可能性も、否定はできません。
でも、私としては、2回して2回ともオカマされて、むち打ちにもならなかったのは、神様のご教示以外にないと思われます。
犬や猫などを連れて行かない
今や、犬や猫は、家族の一員と言われる方も多くなっています。
そんな犬猫好きの方には、ひどい話に聞こえるかもしれませんが、基本的に神社にはペットは禁止です。
一部、ペット連れを認めている神社もありますが、当サイトではレジャーとしてではなく、神様にお願いするという趣旨で書いています。
昔、犬や猫は、獣であり穢れとされていました。
神様のお使い(眷属)として、神獣が祭られていたりします。
神獣の中には、イノシシやオオカミなどもあります。
でも、神獣はあくまでも神様の眷属としてつかえているもので、動物ではありません。
昔から、眷属と動物とは相性が良くないとも言われています。
また、神社の境内は、神職の方や氏子さんたちの手で、清浄に保たれています。
一部の飼い主によるマナー違反で、リードにつながなかったり、境内で排泄をさせるなどもあります。
神様も眷属も、動物を連れてのお詣りは、良くないとされてきました。
人間に置き換えると、わかりやすいかもしれません。
犬が嫌いな社長に子どもの就職をお願いするとき、社長の自宅に犬を連れて行くでしょうか。
ペットを連れていく人にとっては観光かもしれませんが、参拝されている人にとっては信仰の場所です。
本来、神社は、神様に参拝する神聖な場所で、観光施設として建立されたわけではありません。
その辺りをご理解いただければ、ありがたいと思います。
境内に牛乳やお肉を持ち込まない
神様は、血を嫌います。
また、先ほども言った通り、動物も嫌われます。
牛乳を飲んだりお肉を食べたりした後は、血のニオイを感じたり、獣の臭いを感じられることもあります。
『まったく気にしなくてもよい。』と、言われる方も大勢おられますが、私個人的には気にしています。
神様は、願いを聞いてくださる人に対しては、罰を当てると言われています。
逆に言えば、何をしていても罰が当たらない人は、神様のご利益がいただけないとも取れますよね。
事実かどうかは、調べようがありませんが・・。
それならば、ワザワザ神様が嫌いだとされている牛乳やお肉を食べて、臭いをプンプンさせてお詣りに行かなくてもよいと思います。
人間も、にんにくの臭いをプンプンさせてられては、嬉しくないですもんね。
お願い事を言わない
神様にお願いするとき、
『東京大学に合格しますように。』
『宝くじが当たりますように。』
などと、具体的なお願いをしていませんか。
神様には、『○○になりますように。』などと言うお願いをしてはいけません。
例えば、東大の合格をお願いして、見事合格されたら、とても喜ばしいことです。
でも、本人にとって、東大に入学することが、幸せなのかどうかはわかりません。
東大に入学して、その後何の苦労もなく平和な人生が送れるかもしれません。
逆に、東大に入ったがために、周囲の人と相性が悪くてイジメられ、その後の人生が暗転するかもしれません。
これは、人間にはわからないことです。
神様は、あなたにとって最も良い選択肢を与えてくださるのです。
では、どのようにお願いするのかというと、もし東大を目指しているなら、
『東京大学を受験します。身の取り回しよろしくお願いします。』
と、自分の分からないことは神様に委ねて、東大目指して頑張るということを伝えましょう。
仮に、東大に受からず、第三志望の大学であったとしても、
『これまでの身の取り回しありがとうございました。○○大学に入学することになりました。
今後とも身の取り回しよろしくお願い致します。』
と、これまでのお礼と、今後のお願いをしましょう。
例え、あなたの意図した結果でなくても、それがあなたの将来にとって最も良い道なら幸せですよね。
忌中はお詣りしない
忌中は、神様にお詣りしてはいけないというのは、多くの方がご存知です。
古来から、死は『黒不浄(くろふじょう)』や『ブク』などと言われ、穢れとされました。
身内にご不幸があった場合、亡くなった人の霊をねんごろに弔うために、世間との交流を断ちました。
世の中では、忌中の間は神社にお詣りしてはいけないと言われています。
神社にお詣りしないというのは、神様を拝まなければよいのかと言うとそうではありません。
神社の境内に、足を踏み入れないことが大切です。
神様の神聖な場所を、黒不浄で穢してはいけないのです。
では、どれだけの期間神社にお詣りしてはいけないのかと言うと、これは諸説いろいろあります。
また、あなたに近い身内ほど、長い間お詣りできなくなります。
神道では、ご両親や子供など、ごく近い関係であれば、50日としています。
仏教の四十九日の忌明けとほぼ同じなので、最近では忌明けまでという方も多く居られます。
また、地方によって慣例もあるので、一概には言えません。
私の住む地方では、両親や配偶者、子供など一親等内であれば、1年間は神社にお詣りしません。
ある地方の方に聞くと、1親等内であれば、100日間は神社にお詣りしないと言われました。
喪中と忌中も、混同されることも多いのですが、少し意味が異なります。
忌中は、神道では、死後50日間を言います。
喪中は、忌中後の喪に服す期間も含めるので、忌中よりも長い期間になります。
この期間も、地方によって変わります。
神社の通り抜けをしない
実のところ、神社の通り抜けをしてはいけないという決まりはありません。
でも、これは、とある有名な神社の宮司さんに、子どものころからよく教えられたことです。
『神社は、神様の家と同じなんや。お前も、知らん人が家の中を、黙って通り抜けしたら嫌やろ。神様も同じや。』
この様に言われて、育ってきました。
だからどうだ。というわけではないのですが・・。
先ほど、参道を横切るときには、拝殿に向かって一礼をすると言いました。
これと同じなんですよね。
神様の境内を、近道だからと言って、黙って通り抜けするのではなく、神様に断って通るという気持ちが大切なのです。
シッカリと、参拝するということではなくても、せめて頭を下げるだけでもしてくださいね。
タブーのまとめ
神さまは、姿かたちが見えません。
文句も言われません。
ですから、つい、神さまの存在を忘れがちになり、神社を公園や観光地のように感じてしまうのも分かります。。
神社でのタブーは、他の人の家で、その家の人の目の前で、やっても良い行為がどうかを考えると分かりやすいかもしれません。
目に見えなくても、そこに神さまが居られるということを意識することで、ご利益もより多く授かれます。