高齢者は、自然の摂理として、血圧が上がっていきます。
これは生きていくために必要だから、血圧が上がるのです。
高齢者の血圧が高い原因
高齢者の血圧が高いと言って、むやみに薬で血圧を下げるのは危険を伴うので注意してくださいね。
では、高齢者はどうして、血圧が高いのでしょうか。
その大きな原因は、
- 肺活量の低下
- 血管が硬くなる
の2点があります。
肺活量の低下
肺活量という言葉は、あなたも一度や二度は聞いたことがあるかもしれません。
人間ドックでも、検査をする場合があります。
肺活量は、思い切り息を吐ききったところから、どれだけ空気を吸い込める量があるかというものです。
ざっくりと言い換えれば、1回の呼吸によって出し入れできる空気の量と言えます。
成人男性で、3000~4000cm3、女性で2500~3500cm3が、正常平均値と言われています。
肺活量が多いと、1回の呼吸で、多くの空気(酸素)を、体内に取り入れることが可能です。
しかし、加齢とともに心肺機能も衰え、肺活量も減少していきます。
すると、当然のことながら、体内にめぐっている酸素が減少することになります。
そこで、心臓は、頑張って一生懸命働いて、ポンプの力を強めて、血液を今まで以上に勢いよく送り出します。
心拍数を上げて、体内の隅々まで酸素や栄養素を行き渡らせているのです。
これが、加齢により、高齢者の血圧が高い大きな原因の一つです。。
血圧が140mmHgよりも少し高いと言って、薬で強引に下げてしまうと、カラダにとって大きな問題が発生する可能性があります。
血管が硬くなる
加齢により、血圧が高くなるもう一つの原因は、血管が硬くなることです。
意外に思われるかもしれませんが、血管は『平滑筋』という筋肉でできています。
以前、私は、血管のイメージとして、チューブのようなものを想像していました。
でも、小さいながらも、血管は筋肉でできています。
この血管の平滑筋が伸縮することで、血圧を正常の保つ働きがあります。
神さまは、実に細かな部分まで、私たちのカラダを上手く作ってくださいました。
でも、血管の筋肉も、加齢とともに衰えていくのは仕方ありません。
柔軟性、しなやかさを失った血管は、これまでの様にスムーズに血液を流すことができません。
その働きを補助するために、ココでも心臓が頑張って、血液を送り出す力を強めるのです。
これが、加齢により高齢者の血圧が高い2つ目の原因です。
高齢者の血圧が高いのは自然
高齢者の血圧が高いのには、以上のような訳があります。
従って、高齢者の血圧が高いのは、当然というか自然のことなのです。
しかし、日本高血圧学会は、病院血圧を測定した場合、最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上で高血圧としています。
その結果、2014年の国民健康・栄養調査では、65歳以上の人のうち約64%が高血圧であるという結果になっています。
一方、人間ドック学会基準案は、150万人の検査結果を反映して、最高血圧を147mmHg、最低血圧を94mmHg以上を高血圧の基準としました。
しかし、これは、日本高血圧学会によって、猛烈な反対にあいました。
高血圧の基準値が、7mmHgも高くなれば、高血圧の患者数が、100万人規模で減少してしまいます。
そうすると、薬の売り上げが減少してしまいますよね。
高血圧の薬は、一度服用すると、なかなか途中でやめることができません。
一生飲み続ける薬になる可能性が、非常に高いのです。
高血圧の薬(降圧剤)は、日本で一番よく売れている薬です。
日本の財政赤字に占める、医療費は膨大な額になっています。
それなのに、一方では、降圧剤をバンバン処方しているお医者さまが、溢れかえっています。
でも、せめて、あなたには、高血圧の薬に頼らなくても良い生活を、楽しんでいただきたいと思います。
薬に頼らず血圧を下げる方法
では、高齢者の血圧は、高いままに放置していても大丈夫なのでしょうか。
やはり、高齢者と言っても、血圧はできれば下げたいものです。
しかし、薬ではなく、生活習慣を改善することで、血圧の上昇を抑えるというイメージが良いと思います。
その一つが、軽い運動です。
先程も書いた通り、血管も筋肉です。
運動不足になると、筋肉が硬くなってしまうので、全身をほぐすようにストレッチをしましょう。
そして、お尻や太ももなどの大きな筋肉を動かします。
できるだけ大股で、15分程度の散歩は、全身の血流も促進してくれるのでおススメです。
そして、散歩の後はお茶。
日本茶は、カテキンが豊富なので血圧を下げる効果があります。
散歩の後の、日本茶でホッと一息を入れつつ、血圧を下げるという一石二鳥の効果を狙ってみるのもおススメです。