京都の伏見稲荷大社は、日本人だけでなく、外国人の方にも人気の神社です。
本殿の周りは、いつも多くの人でにぎわっています。
でも、伏見稲荷大社は、本殿だけがお詣りする場所ではありません。
後ろに控える稲荷山全体に、ご神蹟やお塚が祀られています。
稲荷山に上って、ご神蹟やお塚をお詣りすることを、京都では『お山』あるいは『お山する』と言います。
伏見稲荷大社のご神蹟
稲荷山には、ものすごい数のご神蹟やお塚があり、数々の神さまが祀られています。
その中で、伏見稲荷大社が管理している七神蹟が、明治時代に確定されました。
- 一ノ峰(上之社 オオミヤノメ大神・末廣大神)
- 二ノ峰(中之社 サタヒコ大神・青木大神)
- 三ノ峰(下之社 ウカノミタマ大神・白菊大神)
- 荒神峰(田中社 タナカ大神・権太夫大神)
- 間ノ峰(荷田社 伊勢大神・天照大御神)
- 御劔社(長者社 カモノタマヨリ姫)
- 御膳谷(奉拝所)
七神蹟や大きなお塚の周辺に、個人の方が信仰している神さまの名前を入れたお塚を奉納しました。
七神蹟以外のお塚は、伏見稲荷大社としては、管理していません。
お塚は、民間信仰になります。
このページでは、お山の中で、金運アップのご利益が授かれるオススメのパワースポットを紹介します。
七神蹟以外にも、パワースポットがたくさんあります。
そちらも併せて紹介しますので、ぜひ京都へ来て、伏見稲荷大社でお山して、金運アップのご利益をいただいてくださいね。
伏見稲荷大社本殿の周辺は、コチラのページで紹介します。
併せて読んでくださいね。
熊鷹社は勝負事と金運招福・商売繁昌の神さま
お山に入って、最初の大きなお塚が、熊鷹社(クマタカ社)です。
熊鷹社は、『熊鷹大神』という神さまがお祀りされています。
熊鷹大神は、古代の貴族の守護神と言われています。
熊鷹大神は、勝負事や金運招福、商売繁盛のご利益が高い神様です。
私が、子どものころ、父親に連れられてお山したとき、熊鷹社を見て『ホンマモンの神さまや。』という感覚にとらわれました。
子ども心に、口では表せない、何か畏怖のようなものを感じました。
原日本の神さまのお祀りを、見たような気持ちがしました。
熊鷹社は、常に大きな和ろうそくに火がともされています。
和ろうそくですから、炎が長く、火に勢いがあります。
お山の中では、一番にぎわっているお塚です。
パワースポットとしても非常に強力で、金運アップのご利益も期待できます。
熊鷹社のお塚の前に、『竹屋』というお店があります。
ここで、ローソクやお供えの神饌(しんせん)を買う人が多いです。
もちろん、自宅から持ってきたお酒や神饌を、お供えしている人も数多く居られます。
竹屋さんは、チョッとしたお菓子や飲み物も売っています。
店の前にある床几に腰を掛けて、休憩されている方もよく見かけます。
でも、初午などの人の多い日は、熊鷹さんのお塚から溢れた人で、おちおち座っていられないほどの混雑ぶりです。
田中社は清冽なパワースポット
熊鷹社からさらに登って行くと、三ツ辻に出ます。
三ツ辻を右に行くと、四つ辻に出ます。
四つ辻からは、京都の市内が一望できます。
俳優の西村和彦さんの実家の仁志むら亭があります。
でも、西村和彦さんには悪いのですが、個人的に四つ辻は、下の写真のように人が多くて、ゴチャゴチャしていてパワーがないので、あまりお勧めしません。
せっかくお山しているのですから、食事や休憩は、もっとパワーを授かれる他のところがおすすめです。
内緒ですが、四つ辻よりももっと良い眺望が、田中社の後ろにあります。
稲荷山から、愛宕山、石清水八幡宮がある男山、大阪のあべのハルカスまでが見渡せます。
あまり知られていないので、人はほとんどいません。
お山で最も賑やかな四つ辻の左手の階段を上っていくと、荒神峯の頂に田中社(タナカ社)があります。
四つ辻から田中社への階段は、少し急な階段になりますが、上に登って行く毎に、清冽な霊気を感じます。
田中社に祀られているのは、田中大神(タナカ大神)と言われていますが、鳥居には権太夫大神(ゴンダユウ大神)となっています。
田中社の神さまは、大己貴命(オオナムチ命=大国主命)または、鴨建角身命(カモタケツヌミ命)であるともいわれています。
カモタケツヌミ命は、京都市左京区にある下鴨神社(賀茂御祖神社)のご祭神です。
お稲荷さんの祝詞の一つである稲荷五社大明神祓(いなりごしゃだいみょうじんはらえ)には、
- ウカノミタマ命
- オオナムチ命
- オオタ命
- オオミヤヒメ命
- ウケモチ命
以上5柱の神さまが、稲荷五社大明神へ鎮まり、五穀の種を降されたとあります。
これからすると、お祀りされているのは、オオナムチ命なのかなという気もします。
謎が多い田中社ですが、パワースポットとしては強力です。
ぜひ、お詣りして金運アップのご利益をいただいてください。
大杉社は病魔退散と金運招福のご利益が高い
四ツ辻で、田中社を左手に、うどん屋さんの『仁志むら亭』を右手にすると、前方に延びる道は、少し下り坂になります。
『仁志むら亭』は、稲荷山のお店の中では最も大きいのですが、個人的にはあまり良い印象を持っていません。
なので、私は、仁志むら亭ではジュースも買わずに素通りします。
お山の途中で、おうどんやお稲荷さんを食べたいときは、仁志むら亭よりも少し下の熊鷹社から少し上がった三ツ辻にある『三玉亭(みたまてい)』などで食べています。
下の写真が三玉亭です。
ちなみに、三玉亭には、わらび餅やコーヒーもあります。
ごめんなさい。
余談です。
さて、前方の下り坂を進むと、右手に見えてくるのが大杉社です。
大杉社の前に、ろうそくなどを売っている杉乃屋さんと言う小さなお店があります。
ここのご夫婦は、とても人柄の良い方で人気があり、お山している人方が、よく店先でお茶を飲んでおられます。
私も、何も買っていないのに、何度かお茶を出していただいて、お話しさせていただいたことがあります。
ついつい、話をしてみたくなる、気の優しいご夫婦です。
私の個人的な感覚では、大杉社は非常に強いパワーを感じるパワースポットです。
よく、霊媒師の方が、大杉社で神さまを降ろされているのを見ます。
その方たちに話を聞くと、大杉大神は、非常に難しい神様だと言われていました。
それでも、大杉社にお詣りされるのですから、よほど神力の強い神さまなのでしょうね。
凡人の私には、その辺りのことは、全くわかりません。
京都の伏見区には、御香宮というとても立派な神社があります。
その御香宮の境内にも、末社で大杉大神がお祀りされています。
同じ神さまなのかな?と思いながら、お詣りさせていただきました。
伏見稲荷大社のご神木は、杉です。
稲荷山に生えている全ての杉の木が、稲荷大神の依り代です。
大杉大神は、大きな杉にご降臨され、病魔退散や商売繁昌、金運招福にご利益がありと言われています。
お稲荷さんの隠れたパワースポットの大杉社で、ぜひ金運アップのご利益を授かってくださいね。
眼力社の先見の明のご利益で金運アップ
大杉社を過ぎて、しばらく進むと眼力社(ガンリキ社)が見えてきます。
眼力大神をお祀りしています。
我々京都の人間は、眼力さんと呼んでいます。
眼力大神は、視力回復や目の病気が良くなるという、目そのものに対するご利益があります。
それと忘れていけないのが、先見の明を授かるという眼力のご利益で、会社の経営者の方が、京都以外からもお詣りに来られます。
全てのビジネスや金運アップにおいて、先見性はとっても強力な武器です。
というよりも、先見性がないところにビジネスやお金もうけの成功はありえません。
眼力社は、強力な金運アップのご利益がいただけるパワースポットです。
眼力社の前に、『眼力亭』という、小さなお店があります。
ここにしかない面白い小物を売っているので、ちょっと寄ってみるのも楽しいです。
御膳谷奉拝所は稲荷山のパワースポット
大杉社からしばらく行くと、御膳谷奉拝所(オゼンタニホウハイジョ)というご神蹟があります。
御膳谷奉拝所って、舌を噛みそうな名前ですね。
かって、御膳谷奉拝所には、御饗殿(みあえどの)と御竈殿(みかまどの)があって、三ヶ峰(ミツガミネ)の神さまに、神供したところだそうです。
御膳谷奉拝所は、三ヶ峰の北背後に当たり、非常に強いパワースポットです。
御膳谷奉拝所に上がっていく階段は、上から降り注ぐ風のような気の流れを感じます。
薬力社は健康長寿のご利益
薬力社は、大きめのお塚で横に大きな杉があるので、すぐに分かります。
薬力社の神さまは、薬力大神と言って、無病息災・健康長寿などのご利益があります。
京都の人間は、親しみを込めて、『薬力さん』と呼んでいます。
薬力社の周りにあるお塚の奥に入っていくと、小さな滝があります。
ここは、滝行する場所ですが、勝手に滝に入ってはいけません。
先ほど紹介しました御膳谷奉拝所(おぜんたに ほうはいじょ)で、滝行の申し込みをしてくださいね。
事前予約が必要だそうです。
薬力さんには、湧水があります。
お神水(おこうずい)です。
京都の一部の地域では、お神水を『おこずいさん』と言います。
体にとってもよいお水で、お神水で薬を飲むよとってもよく聞くと言われています。
私は飲んだことがないので、わかりません。
昔は、ポンプで汲めたのですが、いまは薬力さんの前にある『薬力亭』という茶店に言うと、お神水を汲んでくれます。
薬力亭は、昔のままの茶店で、お神水で淹れたコーヒーや煎茶、お神水で茹でた『ゆで卵』があります。
京都では、ゆで卵のことを『にぬき』と言います。
そうそう、ビールもあります。
薬力さんまで来ると、大抵汗をかいているので、冷たいビールが美味そうです。
でも、神さまにお詣りするのに、ほろ酔い気分では失礼かなと思い、いつもガマンしています。
私的には、ガマンすることで、薬力さんに金運アップのご利益を、ちょっと多めにいただけるかなと、淡い期待でお詣りしています。
御劔社(長者社)は下鴨神社と同じ神さま
薬力さんから階段を上がっていくと、御劔社(ミツルギ社)または長者社(チョウジュ社)と呼ばれるご神蹟があります。
御劔社には、ご祭神は、御劔大神です。
加茂玉依姫(カモノタマヨリヒメ)が、お祀りされています。
加茂玉依姫は、京都市左京区にある賀茂御祖神社(下鴨神社)にお祀りされている神さまです。
もう一言付け加えるなら、京都市北区にある賀茂別雷神社(上賀茂神社)ご祭神の、賀茂別雷命(カモワケイカヅチ命)の母神です。
でも、私には、なぜタマヨリ姫が、御劔社にお祀りされているのか、全くわかりません。
いずれにしても、御劔社(長者社)は、非常に強いパワースポットです。
さほど大きなご神蹟ではないのですが、いつも何人かの方がお詣りされています。
それだけご利益とご神徳が、高い神さまなのでしょう。
金運アップのご利益もいっぱい授かれそうです。
社殿の裏側には、注連縄が巻かれた御劔石(ミツルギイシ)と呼ばれる巨石があります。
ミツルギ石は、雷石とも呼ばれています。
それは、『昔、ミツルギ石に雷が落ちたのを、僧がおまじないでこの石に、雷を封じ込めた。』という伝説からきています。
このミツルギ石に触れることができると、すごいご利益があると言われています。
でも、忠告しておきます。
絶対に、ミツルギ石に触れてはいけません。
一昔前までは、狛犬をさすって、その手で自分の体をさすっているおばあちゃんを、どこの神社でもよく見かけました。
そうすると、体の悪いところや痛いところが治ると、言われていたのです。
これも大変危険なことです。
神霊世界に、修行もしていない人間が、みだりに手を突っ込んではいけないのです。
金運アップのご利益をいただくはずが、マイナス効果になってしまいます。
一ノ峰(上之社神蹟)で金運アップ
一ノ峰の上之社神蹟は、稲荷山の最高峰です。
といっても、233メートルなので、山にしては低く、丘陵と言ってもよいかもしれません。
低いと言っても稲荷山山頂なので、京都市内の眺望を期待されるかもしれません。
でも、残念ながら、あまり景色は見えません。
ここは、金運アップのご利益をいただくことに、主眼を置きましょう。
一ノ峰の上之社には、大宮能売大神(オオミヤノメ大神)が、お祀りされています。
ご神蹟には、末廣大神と書かれています。
末廣大神が、オオミヤノメ大神と同一神なのかはよくわかりません。
一説によると、末廣大神は、『小薄(オススキ)』という、天狐(テンコオ)という位の千年以上修行した霊狐だとも言われています。
しかし、オススキは、お稲荷さんの眷属で、神さまではありません。
伏見稲荷大社としては、一ノ峰の上之社のご祭神は、オオミヤノメ大神としています。
オオミヤノメ大神は、金運アップ、商売繁昌はもちろん、人の調和を司る神様で、旅館や小売などの接客業に、ご利益が高い神様です。
オオミヤノメ大神は、天鈿女命(アメノウズメ命)と、同一神とされています。
アメノウズメ命は、天照大御神が天岩戸に隠れられたときに、オッパイとアソコを丸出しにして踊ったという、有名な神さまです。
アメノウズメ命は、古事記や日本書紀などの神話の中でも、非常に重要な位置に居られます。
上之社神蹟は、周辺のお塚の数が、稲荷山の中でも最も多いのではないかと思います。
ご神蹟の前でお詣りしていると、とても爽快な気分になりました。
さすがに、パワースポットです。
金運アップのご利益が、存分にいただけます。
二ノ峰(中之社神蹟)で様々なご神徳をいただく
二ノ峰の中之社神蹟には、青木大神と書かれています。
伏見稲荷大社によると、二ノ峰の中之社には、佐田彦大神(サタヒコ大神)がお祀りされています。
私には、青木大神という名前の神さまと、サタヒコ大神の繋がりはわかりません。
ごめんなさい。
サタヒコ大神は、猿田彦大神(サルタヒコ大神)と同じ神さまです。
サルタヒコ大神は、上之社神蹟にお祀りされているアメノウズメ命の旦那さまです。
天孫ニニギ命が、アマテラス大神の命で、高天原から天降りしようとしたとき、葦原中国への道案内をかって出た神さまです。
そのことから、交通安全の神さまとして祀られることもよくあります。
ご利益としては、金運アップをはじめ、交通安全、海上安全、家内安全、縁結び、商売繁昌、五穀豊穣、殖産興業、延命長寿、方位除けなど様々なご神徳があります。
サルタヒコ大神は、全国の神社にお祀りされている、ご利益・ご神徳の高い神さまです。
さすがにパワースポットだけあって、さわやかな風が心地よく吹いています。
間ノ峰(荷田社神蹟)はお伊勢さん
間ノ峰(荷田社神蹟)のご祭神は、伊勢大神と書かれています。
伊勢大神は、天照大御神(アマテラス大神)のことです。
アマテラス大神は、誰もが知っている日本の最高神です。
荷田社神蹟の見どころは、奴彌鳥居(ぬねとりい)という鳥居です。
奴彌鳥居は、とっても珍しい鳥居で、荷田社神蹟と京都の新京極にある錦天満宮の摂社の日之出稲荷神社の2社にしかありません。
ぜひ、京都に来られた時には、奴彌鳥居をご覧になってください。
ただ、私には、どうしてここにアマテラス大神がお祀りされているのかは、全くわかりません。
でも、次の三ノ峰(下之社神蹟)のご祭神を考えると、なんとなくそうなのかなという気がします。
三ノ峰(下之社神蹟)は最強のパワースポット
三ノ峰(下之社神蹟)には、白菊大神と書かれています。
白菊大神は、京都の伏見にある金運アップの神社として有名な金札宮にもお祀りされている神さまです。
白菊大神は、お稲荷さんの主祭神である宇迦之御魂大神(ウカノミタマ大神)と同一神です。
ウカノミタマ大神は、伊勢神宮の外宮にお祀りされている豊受大神(トヨウケ大神)と同一神という説があります。
もし、そうならば、間ノ峰(荷田社神蹟)と三ノ峰(下之社神蹟)で、伊勢神宮の内宮と外宮をお詣りしたことになりますね。
ウカノミタマ大神は、
- 大宜都比売神(オオゲツヒメ神)
- 保食神(ウケモチ神)
- 天御中主神(アメノミナカヌシ神)
- 国常立尊(クニトコタチミコト)
など、いろいろな神さまと同一神だという説があります。
いずれにしても、全国の稲荷神社で、お稲荷さんの主祭神と崇められるウカノミタマ大神を祀る三ノ峰(下之社神蹟)は、稲荷山随一のパワースポットと言えます。
せっかく京都に来て、伏見稲荷大社にお詣りするなら、白菊大神・ウカノミタマ大神の下之社神蹟にお詣りすることを、強くおススメします。
ここで、一気に金運アップと行きたいですね。
お山について
稲荷山は、ここで紹介した以外にも、たくさんのパワースポットがあります。
一方で、以前は栄えていたけど、全くすたれたお塚もたくさんあります。
もしも、お山の途中に、そのようなお塚があれば、足早に遠ざかってくださいね。
お山したからと言って、全ての神様にお詣りしないといけないわけではありません。
あなたと相性の良い神さまに、お詣りすればよいのです。
あなたに合う神さまの前は、とても心地よい気分になります。
ぜひ、京都に来られる際には、伏見稲荷大社にお詣りして、大きな金運アップのご利益をいただいてください。