高血圧で、治療が必要と言われ、血圧を下げる薬(血圧降下剤・降圧剤)を服用している人は、増加の一途をたどっています。
2019年の高血圧患者は、2400万人にも上るとも言われています。
実に、日本人の5人に1人が、高血圧患者になるのです。
血圧とは
そもそも血圧とは、どのようなものなのでしょうか。
血圧は、心臓が血液を体の隅々まで行き渡らせるための、血管内に生じる圧力のことです。
血液が、重力に対抗して脳や手足の先端まで巡っているのは、血圧があるからこそ可能なのです。
血圧は、mmHgという単位で表します。
これは、電子血圧計が出回る前に、水銀式血圧計で測定していた時の単位です。
Hgは水銀の元素記号です。
血圧は、水銀を押し上げる力の強さです。
例えば、血圧が140mmHgの数値ならば、水銀を140㎜(14㎝)押し上げる力があるということです。
血圧の数値は、一定ではなく、常に変動しています。
心臓が収縮して、血液を送り出した時の圧力が、収縮期血圧(最高血圧)です。
心臓が拡張して、血液を取り込む時の圧力が、拡張期血圧(最低血圧)です。
最高血圧も最低血圧も数値は、一定ではありません。
- 寝ているとき
- ご飯を食べているとき
- 歩いているとき
- 運動しているとき
- 本を読んでいるとき
- 片思いの人に偶然会ったとき
- ストレスを感じたとき
- オシッコをしているとき
などなど、その時々によって、血圧は上がったり下がったりします。
血圧が上がるのは、平常時とは違う状況に応じて、脳や筋肉に酸素や栄養届けるためなのです。
下げられ続けた高血圧の基準値
以前、高血圧の基準値は、
- 最高血圧180mmHg以上または最低血圧100mmHg以上
でした。
日本高血圧学会が、2009年に定めた基準値は、
- 最高血圧140mmHg以上または最低血圧90mmHg以上
となっています。
これは、病院で測定されると、誰もが緊張して血圧が上がりやすいために、ちょっと高めに設定されています。
自宅で測定した数値では、
- 最高血圧135mmHg以上または最低血圧85mmHg以上
で高血圧とされています。
病院によっては、最高血圧が140mmHgを超えていると、すぐに血圧を下げる薬を出します。
でも、以前なら62歳の人の場合、150mmHgでも正常だったのです。
2000年から8年間で、高血圧とされる数値が50mmHgも下げられました。
年齢プラス90が正常な数値だった
1960年代の日本では、最高血圧が年齢プラス90以下であれば正常な数値とされていました。
1978年WHOも、最高血圧160mmHg以上、最低血圧95mmHg以上を、高血圧と定義していました。
ところが、1999年WHOと国際高血圧学会は、130mmHg以下を正常血圧の数値としました。
そして、最高血圧140mmHg、最低血圧90mmHg以上を高血圧と定義したのです。
これにより、日本高血圧学会も2000年に、
- 最高血圧140mmHg、最低血圧90mmHg以上を高血圧
- 最高血圧135mmHg、最低血圧90mmHg未満を目標数値
としたのです。
さらに、2008年に、メタボ検診で
- 最高血圧135mmHg、最低血圧90mmHg以上で特定保健指導の対象
と定義されてしまいました。
これでは、日本に高血圧患者が増え続けるのも頷けます。
血管は、年齢とともに老化して硬くなります。
年齢と共に、血圧が上がるのは、自然なのです。
勢い良く血液を送り出すことで、体の隅々まで酸素や栄養素を送り届けているのです。
年齢に関係なく、最高血圧の数値が130mmHg以上になったからと言って、血圧について何かしら指摘される方が不自然です。
高血圧は薬で下げるべきか?
高血圧の薬は、一度飲み始めると、止めるのが難しい薬です。
高血圧は、それが病気というわけではなく、血圧を下げれば万事OKというわけでもありません。
血圧が高いというのは、何かしらの原因があるのです。
その原因も分からないままに、血圧を下げたのでは、カラダにどのような症状が起こっているのか、全く分からなくなります。
最高血圧が年齢プラス90までなら、薬は必要ないというお医者さんもおられます。
また、最高血圧が180mmHgまでなら薬は出さずに、運動や食事に気を付けて、生活環境の改善を指導するというお医者さんもおられます。
高血圧の薬は、副作用も数多く報告されています。
ただ単に、『血圧が140mmHg以上だから薬で下げなければならない。』と言われたら、他の病気や症状がない限り慎重に考える必要があります。
何でも、お医者さんの言うとおりにすれば、間違いないというものではありません。
決して、西洋医学のお医者さんを否定しているのではありません。
でも、考えてください。
血圧は、心臓が全体に血液を送り出すための圧力でもあります。
どこかに血栓ができかかっていれば、それを吹き飛ばすために、心臓は頑張って血液を送り出します。
それによって、血圧は上がるのです。
そんな時に薬で血圧を下げると、血の塊を取り除くことができなくなります。
ですから、高血圧の薬を飲んでいる人は、薬を飲んでいない人に比べて、脳梗塞になる確率が2倍も高くなっているのです。
血圧は、数値だけで判断するべきではないのです。
血栓ができて白目の血管が切れた
私の家内の例を紹介します。
私の家内は、もともと血圧が高く、常に140mmHg以上ありました。
家内の母親も高血圧でした。
ある時、家内の白目が、真っ赤になっていました。
それは、数日で消えましたが、その後、1ヵ月に3回も目の血管が切れて白目が真っ赤になりました。
眼科に行きましたが、全く心配ないということでした。
でも、その時、家内の血圧は、180mmHgをはるかに超えていました。
それで、いつもよく行く漢方薬屋さんに連れていきました。
すると、体のある部分で、血管が詰まっているのが原因だと言われました。
血栓を何とか吹き飛ばそうとして、心臓が頑張って血液を送り出し、血圧が上がっていたのです。
このような場合は、薬で無理に血圧を下げると危険です。
漢方薬を調合してもらって煎じて飲み、血の塊を溶かして小さくしていきました。
それ以降は、きなりというサプリメントを毎日4粒ずつ飲んで、今では、血圧の数値も135mmHg前後で安定しています。
もし、この時、家内が血圧の数値だけを下げる薬を飲んでいたら、脳梗塞になっていたかもしれません。
西洋医学のお医者さんは、並外れた頭脳の持ち主ですが、薬のことは専門外なのです。
薬の専門家は、薬剤師です。
血圧降下剤(降圧剤)と製薬会社の大人の事情
私が、まだヨチヨチ歩きの頃、日本人の死因のトップは脳卒中でした。
その脳卒中の8割が、脳出血によるものでした。
でも、現代人は、栄養状態が良くなっていて、脳の血管が強くなり破れにくくなっています。
その結果、日本人の死因は大きく変わり、トップはガンになりました。
死因の比率では、28%~29%になっています。
脳卒中は、4位に順位を落とし、死因の比率では、8%強にまで減っています。
でも、
- 高血圧の人は、脳卒中になりやすい。
- 高血圧は敵だ。
このように言われると、以前の脳卒中の多さから、高血圧をは下げないといけないという認識が生まれます。
この結果、高血圧の薬は日本一売れる薬となり、市場規模は1兆円を超えました。
日本高血圧学会は、130mmHg以下を正常な数値としています。
高血圧の数値が10mmHg下げられると、高血圧の患者、高血圧症と言われる人たちは、1000万人規模で増えます。
ドンドン血圧降下剤(降圧剤)が売れていくのです。
さて、こうなると誰が喜ぶのでしょうか?
言わなくても分かりますよね。
お医者さんは、薬のことは製薬会社の説明を聞いて勉強されます。
製薬会社は、自社の薬のメリット部分を強調して、副作用などは小さめにしか言いません。
これは、製薬会社が悪いわけではなく、商売ではごく当然のことです。
でないと商品は売れません。
高血圧の人はどうすれば良い?
高血圧と言っても、二次的な要因がなく、最高血圧の数値が慢性的に160mmHg以下であれば、血圧降下剤(降圧剤)の副作用の方が怖いと言えます。
血圧降下剤(降圧剤)に頼らずに、血圧を下げるにはどうすればよいのでしょうか。
その方法は、
- 食べ物で下げる
- 軽い運動
という2つの方法が基本になります。
食べ物で下げる
血圧を下げるためにオススメしたいのは、カリウムです。
カリウムには、血圧を上げる働きのあるナトリウムを排出させる効果があります。
カリウムは、
- 大豆
- 納豆
- ひじき
- 丸干し
- サツマイモ
- ジャガイモ
- 豚肉
- 昆布
- バナナ
- キウイ
などに多く含まれています。
また、酢は、毎日15ml摂取すると、血圧を下げる効果があるのが分かっています。
この他、直接血圧を下げる効果はないものの、血液をサラサラにすることで、血圧が下がる効果が規定できるのが、DHAやEPAです。
これは、
- イワシ
- アジ
- サンマ
- サバ
- マグロ
- カツオ
など、背の青い魚に多く含まれています。
また、納豆には、ナットウキナーゼが含まれており、少々の血管の詰まりなら溶かしてしまう効果もあります。
やはり、野菜やお魚を中心とした和食は、私たち日本人のカラダには良いようですね。
血圧を下げる軽い運動
全身のストレッチを中心にして、筋肉が固くなっているのをほぐします。
血管も筋肉でできています。
血管の筋肉が、収縮することで、血圧を調整して正常に保っているのです。
血管の周りの筋肉がガチガチの状態だと、血管も収縮できなくなるので、血圧が上がります。
また、運動することで心肺機能を上げると、一呼吸で取り込む酸素量が増えるので、血圧上昇を抑えることができます。
高血圧は、薬で強制的に血圧を下げるのではなく、生活習慣の改善で自然に血圧を下げていく方法が、最も望ましい形です。
アナタの体に負担をかけてまで、製薬会社の売り上げに協力する必要はありません。